電気を利用するための最低限の知識

電気とは一体なんでしょうか。物質は原子の集まりから構成されています。その原子は電子という粒子が含まれています・・・電荷が・・・クーロン力が・・・と、性質の成り立ちを説明することもできますが自宅で水道の蛇口を捻り水を汲んだり服を洗うときに水素や酸素について考える必要はありません。電気も同じです。蛇口を捻るようにコンセントから電気を使えばいいのです。ただ、水道の蛇口を勢い良く捻れば水があちこちに飛び跳ね床が水浸しになります。そのまま放置しておけばカビも生えてしまいます。それに水を0度以下の場所に置いておくと凍っていくことや1気圧のときに100度で沸騰することも知っています。

つまり、この記事はコンセントや電池から電気を利用する際のエッセンスや注意点を説明していければと思っています。

電気とは?

金属とか物体の中を通る。

熱、光、磁力など様々なものに変換できる。

扱いが便利なので世界中で使われている。

実験「電気を体験してみよう」

・1.5V電池(アルカリ)

・9V電池(四角いやつ)

・電池ホルダー

・ミノムシクリップ

  1. 1.5V電池をショートさせる電池には電気のエネルギーが蓄えられている熱が出る。これがエネルギー。次に人間の皮膚や木材で電池をショートさせる。熱はほとんど出ない。最後、当たり前だけど空気には全然流れない。
  2. 9V電池を舐めてみる。舌に9V電池を当ててみる。びりっとするはずだ。先ほどの1.5Vの電気を舌に当ててみても痺れない。
  3. 1.5V電池でガムの包み紙を燃やしてみる。

実験のおさらい

  • 電池には電気が蓄えられている。
  • 電気は流れるときにエネルギーを発散する。
  • 電圧とは電気の貫通力。

金属は抵抗する力(抵抗)が少ないので電圧が少なくても電気がたくさん流れ熱もたくさん出る。人間の皮膚や木材は抵抗する力が大きいので電気があまり流れない。熱も出ない。空気は抵抗が大きすぎてまったく電気が流れない。

まとめ

電気はエネルギー。

物には電気の流れにくさ「抵抗」がある。金属は抵抗が低いのでたくさん電気を流す。

電圧とは電気の貫通力。貫通力が高いほど抵抗があるものに電気を流しやすい。

電気の流れ(電流)が多いほど、電気はエネルギーを発する。

余談

電圧は貫通力、抵抗は防御力。
普通の電圧では空気に電気を流すことはできない。
が、空気の防御力を上回る電圧を用いれば空気にも電気を流すことができる。
例えば雷。200万~10億ボルトの電圧らしい(wikipediaより)。
空気に電気が流れることでエネルギーが熱、光、音などに変換される。
人間は金属ほどではないが防御力が低く電気が流れやすい。
人に電気が流れると感電(筋肉が電気刺激で痙攣)したり、熱で組織が焼け焦げたりする。
「42V死にボルト(よんじゅうにぼると、しにぼると)」という単語があって、そのくらいの電圧を人にかけ続けると死ぬと言われている。
日常的に見かける1.5V、3.3V、5V、9V,12V、24Vあたりなら死ぬことはない

 

電気エネルギーの変換について知ろう

前回は電気を熱に変換したが、電気は熱以外にもいろいろなものに変換できる。

それを試してみよう。

豆電球(電流→熱→光)

LED(電流→光)

モータ(電流→磁力→運動)

実験

  • ボタン電池×1個
  • 1.5V電池×4個
  • 電池ホルダー×4個
  • ミノムシクリップ

 

  • 豆電球を光らせよう。豆電球を1.5V電池につなげよう。→光る。
  • LEDを光らせよう。LEDを1.5V電池につなげよう。LEDには向きがあるので注意。足が長いほうを+に繋ごう。→光る。
  • モータを動かそう。モータを1.5V電池につなげよう。→動く。
  • 電圧を上げよう。電池を直列に繋ごう。電圧は電池を直列につなげることで高めることができる。1.5Vの電池を2個つなげば3Vの電圧となる。電圧が高くなると貫通力が高くなり、豆電球やLED,モータにより多くの電流を流すことができるようになり、たくさん光ったり動いたりするようになる。3Vを流すと豆電球やLEDはより強く光り、モータはよりパワフルに動くようになる。
  • 電圧をさらに上げよう。1.5V電池を4個直列に繋ぐ。これで6Vになる。部品をつないでみよう。豆電球はより激しく光る。モータもより激しく動く。LEDは焼けて動かなくなる。各アイテムに触ってみよう。温かくなっていないだろうか?

 

おさらい

電池は直列に繋ぐとより激しく光ったり動いたりするようになる。

電圧を6Vにしたら、LEDは壊れ光らなくなった。

電気を流したら、アイテムが温かくなった。

まとめ

電池は直列に繋ぐことができる。直列に繋ぐことで電圧があがる。

電圧を高めると貫通力が上がり、アイテムに流れる電流が増え、激しく光ったり動いたりするようになる。

LEDは故障しない限界の電圧が存在した。

壊れなかった豆電球もモータも電気を流すことで熱を発生させていた。

余談

人間は高いエネルギーを恐れる。

高いところだったり、熱いところだったり、

遺伝子に刻まれているのかもしれない。

だけど電気だけは別。

知性で身を守らなければいけない。

電気に近づくときは、その電圧がどの程度か考えよう。

その電圧が24Vまでだったらまず死ぬことはない。

オームの法則

オームの法則は中学生のときに勉強したかもしれません。といっても日常生活で法則を使用する機会はめったにありませんし、忘れてしまった方も多いのではないでしょうか。まずは下記のチートシートを暗記しましょう。最初はざっくり流し読みでかまいません。解説まで読み飛ばしてしまってもかまいません。

R(抵抗)V(電圧)I(電流)

R=V÷I

V = R×I

I = V / R

記号 単位 単位の読み方
電流 アンペア
電圧 ボルト
抵抗 Ω オーム

抵抗について

村田製作所の「抵抗器とは?」のページがとてもわかりやすい解説になっています。以下は抵抗器の読み方になります。

 

カラーコード

従来より、小型抵抗器には色の帯により抵抗値と誤差を表現するカラーコードが使われてきた。帯は4本から6本で構成されており、抵抗器の端に近い位置にある帯から順に読む。なお固定抵抗器の色による表示は JIS C 5062 (IEC 62) で定義される。中学校の技術家庭科では必ず学ぶべき項目とされている[要出典]。
例えば、青・灰・橙・金で並んでいる場合、
68×103・±5%
= 68 × 1000 (Ω) ・±5%
と変換し、68000Ω ±5% = 68kΩ±5% と読むことができる。
色帯の数が多い場合でも、指数と誤差についての扱いが同様である。残りの色帯は数字として読む。たとえば、青・灰・茶・赤・茶で並んでいる場合、6・8・1・102・±1%と変換し、上記の例と同じように68.1kΩ±1%となる。こういった表記は金属皮膜抵抗に多いが、上記の例(カーボン被膜抵抗に多い)と比較した時に、指数を表す色帯の色が違っている点に注意したい。 指数の帯と誤差の帯を区別するために、誤差の帯が太くされているものがある。
現在、小型の抵抗器ではチップ型が主流になっており、カラーコードを見かける機会も少なくなってきている。
カラーコードの覚え方[編集]
カラーコードの語呂合わせについて以下に例をあげる[3][4]。太字は対応する色名と数字を表す。いずれも色名と数字の読みとを一体で組み合わせただけの語呂合わせであるので各種の派生例がある。
黒 = 0 (黒い礼服……黒い零服)
茶 = 1 (小林 一 茶)(茶を一杯)
赤 = 2 (赤いニンジン……赤い二ンジン)
橙 = 3 (橙みかん……橙 三かん)(みかんは橙)(第三の男……橙 三のおとこ)
黄 = 4 (四季の色……四 黄 の色)(黄色いヨット……黄色い四ット)(岸恵子……黄 四 けいこ)※ 俗に
緑 = 5 (五月みどり)(みどりご[5]……緑 五)
青 = 6 (青虫……青 六し)(徳川無声(六 青[6]))(青二才のろくでなし)※ 俗に
紫 = 7 (紫 式部……紫 七部)
灰 = 8 (ハイヤー……灰 八ー)
白 = 9 (ホワイトクリスマス……ホワイト クリスマス)

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Wikipedia:抵抗器の項目より

ハルロック一巻132ページ
電子工作漫画のハルロック一巻132ページ引用。オチが気になる方は購入してみてください。ググるとおもしろさ半減です。

解説

さて、これだけだと何のことかよくわかりませんね。基本的には水道の蛇口と同じです。水流があり、水圧があります。蛇口を大きく開ければたくさんの水が流れ、閉めていくほど水流は減っていきます。電気も同じです。水道管から水が流れてくるように、発電所から電線を伝って家庭にやってきます。ただ、水道と違って家庭にある電化製品を使うときに抵抗や電圧や電流を気にする人はいません。なぜなら電化製品はコンセントに挿せば使えてしまうからです。蛇口の開け閉めの調整は機械が勝手にやってくれるのです。完成された電化製品を使うときのように電子工作をすると事故が起きる可能性があります。乾電池程度でも火災の原因になってしまうことがあるのです。

上記の動画ではガムの包み紙のアルミ部分と乾電池を直接繋げています。危ないですね。小学生のときに実験したかもしれませんが、電池と豆電球を銅線で繋げて点灯させた経験はありますか?直接電源と繋げることは水道の蛇口が壊れて水が最大限に出てしまっている状態と似ています。もちろん、水は水なので蛇口が無くても使えないことはないですが、蛇口があったほうが使いやすいですよね。

以下の動画では抵抗を使った場合と使わなかった場合を試しています。抵抗を使わなかった場合ではLEDが焼き切れています。全力で電気を流し込むと何が起こるかよくわかる動画です。ちょっと待ってください。小学生の時に実験した豆電球では焼き切れませんでしたよ?と思うかもしれませんが耐えられる電気の力が違うからです。気になる方はググってください。「豆電球」「LED」「定格」「抵抗」で検索してみましょう。一般的な理科の実験や夏休みの自由研究などでは抵抗を使わずに行うことが多いみたいですが、豆電球と銅線をコンセントに挿したり、シャーペンの芯をコンセントに刺して火花を起こす児童が絶えないのはこういう教育からだと思います。抵抗は絶対に使いましょう。

ちなみに二つの目の動画のサムネイルに回路がありますが、これが正しいLEDの点灯させるための回路図になります。ギザギザマークが抵抗です。330Ωと書いてありますね。その部分で電気が流れる量を調整しているわけです。LEDが点灯している様子は動画で確認してみてください。

LED

とにかく電気の蛇口の開け閉めには(抵抗)気をつけましょうということです。また部品によって動かすために必要な電圧や電流や抵抗は異なりますが、電気を流す前に部品の仕様を確認してオームの法則で計算していけばいいだけです。簡単ですね。

静電気

電圧は貫通力、電流は感電させたり燃やしたりします。

静電気には気をつけましょう。静電気?ドアノブを触るとたまに起きる痛いやつでしょ?と思っていると事故ります。世の中のだいたいものは電気が溜まっていたりします。人間も例外ではありません。電気が体内にたくさんある状態を帯電と呼びます。帯電している状態で通電しやすいものに触れようとすると静電気が発生します。体内から電気が導体に流れていくわけです。静電気の場合は電圧は3000V程度と言われていますが、電流が少ないので感電死することはありません。

ただ、ハードウェアに静電気が流れると故障の原因になります。予防は簡単。機器に触れる前に木材や壁紙を触れば体内の電気は逃げてくれます。最近の機器は静電気対策が施されていることが多いですが、精密機器を触る前は体内の電気を逃してから触ったほうがいいでしょう。念のためです。ちなみにガソリンスタンドでは給油前に静電気を除去してくださいと警告を受けますが、警告を守らないとガソリンに電気が流れて大爆発を起こします。静電気怖いですね。

導体・不導体・半導体

電気を通す物質が導体、電気を通さない物質は不導体です。絶縁体とも呼びます。鉄や銅などの金属類は電気を通す導体で、ゴムや合成樹脂など電気を通さない物質が不導体なのは感覚的にわかることですが、半導体とは一体何か?端的に言ってしまえば半分だけ電気を通す物質が半導体です。なにがなんだか・・・と思うかもしれませんが、電気を通したり、通さなかったりする量を人間の都合の良いように調整できる物質と理解しておけばだいじょうぶです。代表的な半導体の材料はシリコン(Si)です。現代における電気工学の発展は半導体のおかげです。ダイオードもトランジスタもマイコンもCPUもDRAMも半導体で出来ています。 ちなみにLEDも半導体です。半導体のおかげで便利な機能を持った電子部品をたくさん作れるようになりました。ちなみに半導体ビジネスは1980年代、日本企業が市場の80%を占有するほどの栄華を誇っていましたが、現在は新興国に市場を奪われてしまって見る影もありません。ただ、電気の性質を知らなくても私たちが電気を扱えるように、電子部品のメカニズムを知らなくても電子工作は出来ます

 

もっと詳しく知りたい方は以下の本がオススメです。電気にまつわる知識が詳解されているので少しわかりにくい部分もありますがググりながら読んでいけばだいたい理解できると思います。性質の成り立ちや科学的な理解がしたい人は物理学の勉強をオススメします。